セヤナーに関する総合的なwiki。SSなども掲載中

「頼む、お前にしか頼れる奴がいないんだ!!」

友人はセヤナーという生き物を飼っている。
ピンク色のスライムで人の言葉をしゃべる面白い子だと友人はそう語る。

しかし、問題が起きる。友人の家族が、セヤナーと一緒に生活するのがもう耐えられないとの事だ
曰く我儘でいうことを聞かない、エサは常にエビフライを要求して、ほかのエサを与えても食べない。
それだけならいいが、自分の要求や拒絶の意志をはっきりと言葉でしゃべる。生意気な事も平気で発言する。
友人曰くそこが可愛いんだと言っていたが、家族はたまったもんじゃない。
しかもそのセヤナーの面倒を見ている友人が、明後日から研修出張で数週間留守にしてしまう。
もう限界だ、友人のいない間の面倒は見切れないってことで、家族はその友人に、ある選択を迫る

セヤナーを連れて研修に行く

セヤナーを保健所に連れていく

Cかに譲る

い匹海に捨ててくる

仝修にペットを連れていくなんて勿論無理だ
△論簑个坊だ、間違いなく殺処分になるだろう。
こんな我儘なセヤナーを欲しがる奴いるか?
き△箸匹海違うっていうんだ?

よって八方塞がりな状況、しかし家族は待ってくれない。友人が選択できないのであれば家族で勝手に判断させてもらうと

だから、友達の俺になんとかしてほしくて頼んだとさ
なんとかしてコイツを引き取って欲しいと、もしそうでなくても時間稼ぎの為に一時的でもいいから預かってほしいと。

正直断ろうと思っていた。
セヤナーという生き物の事を知らないわけではないが、あくまでネットでちょっと調べた程度だ
実物を見たことも触れ合ったこともない
よっぽどの義理か報酬でもでもない限りは引き受けはしないだろう。
そして何より俺は、今は失業保険と貯金でやりくりしているニートだ。
勿論このままニートって訳にはいかないからいずれ再就職するだろう。
つまり、もし仮にセヤナーを預かったとしても、面倒を見る余裕がこの先もあるかどうかわからない。
こちらに余裕がなくなった時点で、先ほどの選択肢を選ばざるをえない状況になる。

友人は、「その時は覚悟する。だからせめて時間稼ぎをやってほしいんだ。勿論飼育費は出す」

ここまで頼まれたら、断るのも気が引ける。
「もしそれでも構わないんだったら、わかった。預かるよ」
そういって俺は承諾した。

「あとすまねえ、もう一つ頼んでもいいか」
「?」

「預かるってことは環境が変わる、もしチャンスがあればでいいんだが、セヤナーを我儘癖を少しでも治してもらえないか?
もし最悪、セヤナーを手放さないといけなくなった時、保健所に渡したり、捨てたり、変な業者に渡すって選択をする可能性を少しでも減らせるようにさ」

友人のセヤナーを思う気持ちは本物だった。
しかし、いくら本物であっても実際に預かるとなればいろいろと大変だ。
故に友人は俺に、いくつか約束をしてくれた。

確実に我儘癖を治せなくてもいい事
セヤナーを育てたことがないから十分気を付けてくれるだろうが、もし何かあっても責任がとらなくてもいい。
友人に、研修が終わったら必ず顔見せにこさせること。
最終的に選択しないといけない状況に友人が陥った場合、責任をもって友人自身で判断するということ。
これらを約束し、俺は友人のセヤナーを預かることにした。


次の日

いよいよ友人からセヤナーを預かる日がやってきた。一応万全の準備はしている。
セヤナーフードにセヤナーグッズ、何かあった時のセヤナーの気持ちを用意した。うん、大丈夫そうだ。

友人がセヤナーをダンボールに入れて持ってきた。
逃げないようにして運ぶにはこれしか思いつかなかったらしい。

そしていよいよ、友人がダンボールを開ける。

「ヤーー?」

見慣れない場所に来たからだろうか、あたりをキョロキョロと見渡している。
「ココハドコー 」
・・・かわいい
なんなんだこの生き物、実際に見ると意外に可愛いじゃねえか
・・・まあ、可愛さよりも憎たらしさのほうが優ったんだろうから、コイツはうちに来たわけだが

「ここは今日からお前の家になる、飼い主も今日から俺になる」
ナンデー? カイヌシサンハ?
「しばらくの間預かってくれって言われてな、飼い主が迎えに来るまでここがお前の家だ、よろしくな」

その言葉を聞いて少しあたふたした、可愛い

だが、俺は可愛いと思いながらも一応注意はしておく
友達の家族が、こいつの事をうんざりしてしまった。
その原因がどこにあるのかを調べるのも兼ねて。



さて、友人から借りたセヤナー用の道具とかを一通り片づけたところで時計を見る
13時か・・・そろそろ昼飯にするか・・・

俺は、ここでようやく友達の家族がこいつの事をうんざりとした理由を身をもって知ることになる。
昼飯に、セヤナー用のエサ、セヤナーフード(マグロ)のそれなりに高い物を用意したのだが、
ここでセヤナーが発した言葉は、アリガトウ、でもなく、イタダキマス、とかでもなかった。

「イヤー!! エービーフライ、タベターイ!!」

俺は衝撃を受けた、普通のペットなら、初めての環境で初めてのごはんに、恐る恐る食べるとか、食べてもいいの?とか
そういう反応になるかなと思っていたのだが。
まさか、いきなりケチをつけるとはな。
「ウチナー エビフライがタベターイ コレ、イヤー」
甘やかしすぎにもほどがあるだろ・・・

確かにセヤナーは我儘で、すぐに舌が肥えて安いエサを食べなくなる。というが
それは、節度なく美味しい物を与えすぎてしまうのが原因だ。
特に、エビフライ、セヤナーにとってエビフライは本来極々まれにしか食べられない超高級食。
野生セヤナーであれば、野生のエビフライは超希少種故に滅多に手に入らない。人間の残飯のエビフライを手に入れるのも滅多にない。
友人の場合、セヤナーが小さい頃から常日頃、エビフライ又はエビフライのセヤナーフードを与え続けたとの事。
そんな滅多に手に入らない食べ物が、何の苦労も代償もなく、当たり前のように食べられる。そりゃ我儘になるわな。

俺が出したセヤナーフードを「マズイノイラーン」と言ってぶちまけ、その挙句「エービーフーラーイ、ヨーキュウ」と偉そうにこいつは主張した。
勿論、ああわかりましたはいどうぞ、とか言ってエビフライをやるわけない。
俺はこいつを説得するために、なるべく優しく諭す。
「セヤナー、そんなにエビフライが食いたいのは分かった。だが今日はどうしても用意できないな、今はそれで我慢してくれないかい?
今君がぶちまけたそのエサ、エビフライ程ではないがそれなりに美味しいエサだぞ。」
そういって俺はぶちまけられたセヤナーフードを捨てて、新しい物を用意する。もう一回皿に盛り、セヤナーの前に差し出す。
しかしこいつは、一瞥だけして、またエサを嫌味かのようにぶちまけ、「ウーチーナ、エービーフーラーイ!、ターベーターイ!、マーズーイーノ!、イーヤ!!」
ドヤ顔で食べ物粗末にされても困るんだけど・・・

エビフライが手に入らないと分かったからなのか、暴れだし近くにある物にあたり始めた。
あーあーあ・・・周りの物まで滅茶苦茶にしやがって・・・
そんなに暴れてもエビフライはでないっていうのに・・・

結局、こいつは昼も夜も、水しか飲まずに、セヤナーフードを一口も口にしなかった。
てか口にするどころか、ぶちまけてくれたよ・・・見事に・・・ 掃除が大変だ・・・


一応エビフライを与えようかと検討はしていた。
だが。もし安易に与えて、こいつの我儘癖が治らなかったら・・・
その場合、友人は最悪の選択肢をとる覚悟をしないとけない・・・

引き受けたんだ、やれるだけことはやってやるさ。

俺は、こいつの我儘を治すため、ある作戦にでる。
もし失敗すれば、ただの虐待行為になりかねない、とはいえ折角用意したエサを粗末にするのはあいつだ。
そう思いながらも細心の注意を払いながら作戦を実行する。

作戦とはこうだ。
毎日、こっちはちゃーんとセヤナーフードを与え続ける、勿論安いエサで妥協せず良いエサを用意する
セヤナーは雑食だ、セヤナーフードは勿論の事、人間が食べれる物のほとんどを、セヤナーはおいしく食べる事ができる。
だから、食べないというのはまずないだろう。
しかし、それでも恐らくあいつは我儘を通して、食わずに残すかぶちまけ、エビフライを要求するだろう。
だが、俺はエビフライを絶対に与えない。
数日したら、絶対にアイツに限界がくる。その時に再度説得する。
あいつにとって残酷な作戦になるが、こうでもしてあの我儘を治さないと
この残酷な世の中では生きる事はできないだろう。


次の日、俺は作戦通りにちゃんとエサを与えた。
結果は、今日もエサをぶちまけエビフライを要求、しかも破壊行動が昨日よりもひどくなった。
それだけでは収まらなく、俺に対して威嚇をしてくるようになった。しかも恨み言つきで
ただ、水だけしか摂取してないのもあって、昨日に比べると声にハリがない。

3日目 
結果は昨日と同じ。
流石に3日飯抜きはきついらしく、元気がないのが目に見えてわかる。

4日目
結果は(ry
破壊行動が収まり、エサをぶちまける事はなくなった。
窶れきっていて、声に掠れが入ってきているのに、俺への威嚇だけはやめない。
迫力はもうないが、恨みの籠った目力だけは衰えない。その目だけで呪いでもかけられそうだ。


5日後
もはやこいつにとって限界だろう。
かなりやつれているように見える、あれだけぷにぷにしていて弾力のあった体は萎れていた。
「セヤナー エサだよ、オマエ、マジで食べないと死ぬぜ」
俺は強めに言ったが全く聞く耳持たなかった。
「エビフライ・・・ エビフライ・・・」
そう、掠れた声で呟いていた。
まだ分かんねえのかよ・・・
「エビフライは用意できねえけど、うまい物なら用意してるんだぜ、ほらみろよ」
そういってビーフシチューを見せる。
ただのセヤナーフードではない。俺が時間かけて作った物だ、具は極力小さく細かくし
弱っている状態でも食べやすい用にしている。
さらに皿の端っこにはドロドロにしたチーズを載せてある。匂いだけでも食欲をそそる。
それをセヤナーの目の前に置いてやる。
少し虚ろになっている目を動かし、シチューに目をくれる・・・が・・・
「イヤー・・・エビフライ・・・・・」
ひどく落胆した顔をされた。
「あのなーセヤナー、エビフライは簡単に手に入る物じゃねえの、俺に用意できるのはこのエサだけだ」
「ヤーーー・・・」
全然聞いていない、それどころか、虚ろな目に力が籠ってくる
怒りだ、極度の飢餓状態なのもあって、すごい形相だ。
「ナンデ・・・ ウチニ・・・、エビフライクレンノ!!! イジワル!!!!」
一体どこからそんな力が湧いてくるのか
セヤナーが恨みの籠った目でこっちを見て、体を震わせ威嚇している

今だ。このタイミングしかない。

「あのなセヤナー、食わず嫌いは良くないぞ。そろそろなにか食べないと死ぬぞ!
一口でもいいから味わってみて、それから好き嫌いをいいやがれ!!!!!」
俺はそう叫びながら、セヤナーの口に手を当て、無理矢理開けてシチューを食べさせようとする。
「??!!!!!!!!!!!!!!!!」
セヤナーは俺が毒物でも流し込もうとでも思ったのか、突然すごい力で口をしめ抵抗する。
俺も負けずと力を加え、口を開けさせる。空いた口からは恨みの言葉がでてきた
「ヤデー!?、イタイー!!!ナンデー!!!イヤヤー!!!!!」
すごい声だ、本当にそんな力一体どこにあったんだ。俺も迫力に負けず。大声で応戦する。
「いいから食えよ、食わねえと死ぬぞ!!!!!」
「イヤヤー!!!!!!エビフライークイタイ!!!!!、オマエキライ!!!!!!、エビフライクレンノナラ!!!!!!
シヌ!!!!!!! ウチ!!!!! シヌ!!!!!!」
すごい迫力だった、何日も水しか摂取していない、やつれきって、今にも死にそうな状態なのに
それほどまでにこいつはエビフライに固執するのか?!

だが俺は負けるわけにはいかない
ここでコイツを突き放せば、見捨てれば、少なくともコイツに未来はない
無理やりセヤナーの口を開け、シチューを流し込もうとする。
「っく」
なんて力だ!抵抗する力なんてもうないはずなのに、口をこじ開けようにも、なかなか開かない

辛うじて少しだけ空いた口に手を挟み、激痛を感じながらも、手を入れたことによって生じたスキマに、シチューを流し込む
「!!!!!!」
異物を流し込まれたとでも思ったのか、俺の手ごとシチューを吐き出し、えずきだした。
「ヤー! ヤー!
わざとかと思うくらいに、シチューをツバごと吐き出した、
そして、これでもかとツバを吐き出したあと、セヤナーの動きが止まる
ただでさえ限界の状態であれだけの力を出したのだ、反動は当然やってくる
幸いにも水だけはちゃんと摂取していたのでスライム状は維持しているが弾力は全然ない
色も薄れてきて、俺への恨みが籠った目が次第に表情が虚ろになっていく。

さっきみたいにただ元気がないだけじゃない、本当に目の焦点があっていない。
「死ぬ前にもう一度エビフライが食べたかった、前の飼い主の元に帰りたい」とでもいいたそうな表情だ
もう限界だ、今すぐに死ぬわけではないだろうが、体の組織を維持できなくなり、最後には意識が消えて、溶けてしまうだろう
そうなる前に、俺はもう一度シチューを目の前に差し出す。
「・・・・・」
見向きもしない・・・というかシチューを認識すらしていない
「おーい、セヤナー!! 今目の前にあるのは食べられるエサだぞ!!」
エサという言葉を聞いて、目の焦点がシチューに向く・・・
セヤナーは、じーっとシチューを見て考えている。こいつがやっとエビフライ以外のエサに興味を持ってくれた。
沈黙の数分が過ぎた。そこでこいつの表情が変わる。
「味を思い出すとエビフライに全然劣るが食えなくもない」とでも言いたそうな顔だ。
「だからいっただろ、うまい物を用意したって、一回食べてみr・」
言い終わる前に重そうに体を動かし、シチューに倒れこむように、顔からダイブした。
「おい!!大丈夫か!」

よく見ると、シチューが波打っていて、セヤナー自身ももぞもぞと動いている
食べているようだ。そして、小声でこう言うのを聞こえた
「ウ、ウマイーー」
その言葉がまるでスタート合図かのように、シチューを食べる速度が上がった。
ガツツク音が聞こえる。ようやく食べてくれた。


数分後

俺が用意したシチューを全て平らげ、水もすべて飲み干し、生き返るーって言いそうな表情をしている
脱色しかかっていた体に色味が少し戻り、顔は大粒の涙でいっぱいだった
「ウマイー・・・ モット・・・」
あれだけでは足りなかったようだ。
「ようやく分かってくれたか、OK、用意するから腹いっぱい気が済むまで食いな」
今度はより大きめの皿に、先ほどよりも多くのシチューを入れ、水といっしょにこいつの前にだす。
涙でぐちゃぐちゃになったその目は、シチューにくぎ付けになっていて、とても輝いていた。
「ヤーーー!!!!」
大声を出して皿に体ごとダイブする。そして凄い勢いでシチューを食べていく。


シチュー塗れになった体で、大粒の涙を流し、嗚咽交じりの声で・・・
「ウマイー・・・ウマカッタ・・・ゴチソウサマー・・・」
っと、この家にきて初めて、感謝の言葉を口にした。


それから数日後

それからセヤナーは、家に来た時よりもかなり大人しくなった。
エサはちゃんと食べるし(セヤナーフードだけでなく、俺の手作り料理も与えている。)美味しい美味しいってすごく喜んでくれる、破壊行動もしなくなった。
まあ、遊び盛りでやんちゃなのか、はしゃぎすぎて大暴れをするときはあるが・・・
そして自分の意志はっきりと告げる事については、これはもうセヤナーという生き物の特徴だ、付き合っていこう。
実際そこまで悪いもんでもなく、意思疎通がちゃんと図れるし、会話も成り立つ。面白いな。


友人にこの事を報告する。
「おお、まじか!信じてよかったぜ心の友よ!!」

どうやらこのセヤナー、エビフライ以外のエサをあまり食べたことがなかったらしい。
どんだけ甘やかしたんだよあの友人は・・・
故に、エビフライ以外の物は食べ物とすら思っていなかったらしい。

友人の所に返すのはまだまだ先の話だ。
今返すと、友人=エビフライが簡単に手に入る、という図式がこいつの中にまだあるから、
今までの苦労が、無駄ではないだろうが薄れてしまう。
故に、友人の顔をコイツに見せて、っていうふうに段階を踏んで徐々に慣らすようにしていく

「ああそうだお前、セヤナーの調教とか向いてそうだからその手の仕事してみたらどうだ?」
「そうかもな、また考えておくよ」

まあなにがともあれ、こいつが殺処分になったり捨てられる事の可能性がかなり低くなった、それだけで俺の役目は十分だろう。
もうこの子は以前のように我儘はあまりしない。エサもエビフライ以外の物をちゃんと食べる。
だから、友人がこの子を手放す選択をせざるを得なくなった時、セヤナー好きの人なら、きっと快く引き取ってくれるだろう。
もしかしたら、友人の家族も、もう一度一緒に暮らしてくれるかもしれない。

友人の研修はあと数日ある。もしかしたら後数日の付き合いかもしれないが、その間だけでも仲良く暮らしていこうな、セヤナー。

このページへのコメント

SSを投稿させていただきます。
ほぼほぼ勢いで書いたので、どこかおかしい箇所があれば
治しますのでお許しください・・・

0
Posted by  ekiasisu ekiasisu 2018年03月14日(水) 14:22:40 返信

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